小倉百人一首(31-35)

坂上是則

朝ぼらけ 有明の月と見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
(あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき)

春道列樹

山川に 風のかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
(やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり)

紀友則

久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
(ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ)

藤原興風

誰をかも しる人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
(たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに)

紀貫之

人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける
(ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける)