小倉百人一首(36-40)

清原深養父

夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
(なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ)

文屋朝康

白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
(しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける)

右近

忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の 惜しくもあるかな
(わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな)

参議等

浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
(あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき)

平兼盛

しのぶれど 色に出でにけり 我が恋は 物や思ふと 人の問ふまで
(しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで)