小倉百人一首(41-45)

壬生忠見

恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか
(こひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか)

清原元輔

ちぎりきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは
(ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは)

権中納言敦忠

あひみての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり
(あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり)

中納言朝忠

あふことの たえてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
(あふことの たえてしなくば なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし)

謙徳公

あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
(あはれとも いふべきひとは おもほえで みのいたづらに なりぬべきかな)