小倉百人一首(46-50)

曽禰好忠

由良のとを 渡る舟人 かぢをたえ ゆくへも知らぬ 恋の道かな
(ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな)

恵慶法師

八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
(やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり)

源重之

風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな
(かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな)

大中臣能宣朝臣

みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえて 昼は消えつつ 物をこそ思へ
(みかきもり ゑじのたくひの よるはもえて ひるはきえつつ ものをこそおもへ)

藤原義孝

君がため 惜しからざりし いのちさへ 長くもがなと 思ひけるかな
(きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな)