小倉百人一首(51-55)

藤原実方朝臣

かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな もゆる思ひを
(かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを)

藤原道信朝臣

あけぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな
(あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな)

右大将道綱母

なげきつつ ひとりぬる夜の あくるまは いかに久しき ものとかはしる
(なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる)

儀同三司母

忘れじの ゆく末までは かたければ 今日をかぎりの いのちともがな
(わすれじの ゆくすゑまでは かたければ けふをかぎりの いのちともがな)

大納言公任

滝の音は たえて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
(たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほきこえけれ)