小倉百人一首(61-65)

伊勢大輔

いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に 匂ひぬるかな
(いにしへの ならのみやこの やへざくら けふここのへに にほひぬるかな)

清少納言

夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
(よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさじ)

左京大夫道雅

いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
(いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな)

権中納言定頼

朝ぼらけ 宇治の川霧 絶え絶えに あらはれわたる 瀬々の網代
(あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに あらはれわたる せぜのあじろぎ)

相模

うらみわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそをしけれ
(うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひにくちなむ なこそをしけれ)