小倉百人一首(66-70)

前大僧正行尊

もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし
(もろともに あはれとおもへ やまざくら はなよりほかに しるひともなし)

周防内侍

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなくたたむ 名こそをしけれ
(はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ)

三条院

心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
(こころにも あらでうきよに ながらへば こひしかるべき よはのつきかな)

能因法師

あらし吹く み室の山の もみぢばは 竜田の川の 錦なりけり
(あらしふく みむろのやまの もみぢばは たつたのかはの にしきなりけり)

良選法師

さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくもおなじ 秋の夕ぐれ
(さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづくもおなじ あきのゆふぐれ)