小倉百人一首(71-75)

大納言経信

夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く
(ゆふされば かどたのいなば おとづれて あしのまろやに あきかぜぞふく)

祐子内親王家紀伊

音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
(おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ)

前権中納言匡房

高砂の をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ
(たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ)

源俊頼朝臣

憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを
(うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを)

藤原基俊

ちぎりおきし させもが露を いのちにて あはれ今年の 秋もいぬめり
(ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あはれことしの あきもいぬめり)