小倉百人一首(76-80)

法性寺入道前関白太政大臣

わたの原 こぎいでてみれば 久方の 雲いにまがふ 沖つ白波
(わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おきつしらなみ)

崇徳院

瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ
(せをはやみ いはにせかるる たきがはの われてもすゑに あはむとぞおもふ)

源兼昌

淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守
(あはぢしま かよふちどりの なくこゑに いくよねざめぬ すまのせきもり)

左京大夫顕輔

秋風に たなびく雲の たえ間より もれいづる月の 影のさやけさ
(あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ)

待賢門院堀河

長からむ 心もしらず 黒髪の みだれてけさは 物をこそ思へ
(ながからむ こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ)