小倉百人一首(86-90)

西行法師

なげけとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな
(なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな)

寂蓮法師

村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ
(むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ)

皇嘉門院別当

難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
(なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき)

式子内親王

玉の緒よ たえなばたえね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
(たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よわりもぞする)

殷富門院大輔

見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色はかはらず
(みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず)