小倉百人一首(91-95)

後京極摂政前太政大臣

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
(きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ)

二条院讃岐

わが袖は 潮干にみえぬ 沖の石の 人こそしらね かわくまもなし
(わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし)

鎌倉右大臣

世の中は つねにもがもな なぎさこぐ あまの小舟の 綱手かなしも
(よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも)

参議雅経

み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり
(みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり)

前大僧正慈円

おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖
(おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで)