小倉百人一首(11-15)

参議篁

わたの原 八十島かけて こぎいでぬと 人にはつげよ あまのつり舟
(わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね)

僧正遍昭

天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
(あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ)

陽成院

つくばねの 峰よりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
(つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる)

河原左大臣

みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに みだれそめにし 我ならなくに
(みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに)

光孝天皇

君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ
(きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ)