小倉百人一首(21-25)

素性法師

今こむと いひしばかりに 長月の 有明の月を まちいでつるかな
(いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな)

文屋康秀

吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
(ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ)

大江千里

月みれば ちぢにものこそ かなしけれ わが身一つの 秋にはあらねど
(つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど)

菅家

このたびは ぬさもとりあへず 手向山 もみぢのにしき 神のまにまに
(このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに)

三条右大臣

名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人にしられで 来るよしもがな
(なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな)